子どもだけでなくビジネスパーソンもArtを学ぶべき理由

最近はSTEAM教育という、芸術や教養も含めた文系理系の枠組みを超えた横断的な教育方法が注目されています。

このSTEAM教育は現在のところ、学校での指導や子どもの習い事として注目されていますが、ビジネスパーソンにとってもArtについて学ぶことが重要視されています。
とは言っても「どうしてArt(芸術と教養)について学ぶことが重要なんだろう?」そして「どうやて学べばいいのだろう?」という疑問も出てくると思います。
この記事を読んだら、そういった疑問が解決します。

目次

激動の時代では「論理的思考力」だけでは足りません

複雑な世界では「論理的思考力」では限界がある

少し前まで(今でもそうかもしれませんが…)ビジネスパーソンのキャリアアップの一つの手段として「社会人向けの経営大学院(通称MBA)」が有名でした。
実務の経験を生かしながら、会計学や経営学を学ぶだけではなく、目の前の課題を「分解」して「フレームワーク」にあてはめ、そして「解決」していくという手法や技能を学ぶというものです。
さらに、「批判的思考(クリティカルシンキング)」というものも有名です。

これは、世界を正しく認識するためには論理的に考えれば良いという考えに基づいているはずです。

しかし、実際の世界はどうでしょうか。
あらゆる現象は、もっと複雑です。
論理的に考える、この「論理的」というのは、明らかな根拠があるということです。
「事実に基づいて考える」と言い換えることができるかもしれません。
これについては、「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」という本でも学ぶことができます。
この考え方自体は、非常に有用であり、誰もが学ぶべきものです。

とはいえ、限界があります。

根拠というものは人間の認識能力の限界でもあります。
具体的にいうと「この問題が発生しているのは、これが理由のはずだ(根拠)。だから、それを解決してしまえばいいのだ(行動)」ということになります。
しかし、この考えは、自分より頭のいい(論理的思考力の優れた)人がいれば、さらに的確な根拠と行動を見つけることができます。
言い換えれば、自分よりも優秀な人が世の中にいる限り、論理的思考で導いた最善と思われる答えは、塗り替えられてしまいます。
そして、そのような思考は将来的には莫大なデータととてつもない処理速度を持ったAIにとって代えられてしまうでしょう。

そうすると、どうしても「独創的」な視点が必要になってくるのです。

1枚の絵画をじっくりと観察できるか

場面を少し変えて考えてみましょう。
美術館に行って、絵画を鑑賞する機会もあるでしょう。

しかし、その情報、さらにいえば「絵画」に対して、どこまで深く考えることができるでしょうか。
せいぜい、絵画の横にある「説明文」をざっと読んで、なんとなく「わかったような気分」になって満足していないでしょうか。

同じことは私たちは毎日の生活でもいえます。
SNSやニュースや広告で、様々な情報を受け取っています。
だからといって、それらの「情報」に対して、どこまで深く考察することができているでしょう。

こんな出来事が発生している、こんなことが流行っている…
これに対して「どうしてこうなっているの?」そして「だから何が起こるの?」というところまで深掘りすることは稀です。

目の前の問題は「静的」ではない

こういった「たった一枚の絵画」や「ありふれた一つの出来事」に対して、じっくり鑑賞や考察ができない人間が、果たしてより複雑な問題に取り組めるでしょうか。
僕はそんなことは難しいと思っています。

目の前の問題は、刻一刻と姿を変えて襲ってきます。
それは、ビジネスの現場でもそうです。
顧客の要求に対応していたら話がこじれてきた…
同僚とのコミュニケーションで時間が経ったために意思の疎通ができなくなった…
もちろん、プライベートでも、
子どもの教育についてぼんやり考えていたらあっという間に成長してしまった…

私たちの目の前にある問題は「動的」で「非常に複雑」です。

こういった問題に対処していくための一つの手段として「アート思考」というものが注目されています。

問題解決のためには「アート思考」が必須です

みずから「問いを立てる」ことができるようになるから

直島の地中美術館と金沢21世紀美術館の両方に作品が展示されているアメリカ人アーティスト、ジェームズ・タレルは「アーティストとは、答えを示すのではなく、問いを発する人である」と述べています。

論理的思考は、問題を枠組みにはめて「一つの答え」を導くというスタンスのものです。
しかし、これからの時代は、答えを引き出す力以上に「正しい問いを立てることができる洞察力とユニークな視点」が必要とされています。
「変動性」「不確実性」「複雑性」「曖昧性」に富んだ世の中を生きていくには、こういった「アート思考」が重要なのです。

受け身の人生を送っていませんか

毎日触れるSNSやニュースや広告を、無批判に受け入れてはいないでしょうか?
こんな出来事が発生している、こんなことが流行っている…
先ほどは、「どうしてこうなっているの?」そして「だから何が起こるの?」というところまで深掘りすることは稀だと言いましたが、それでもやらないよりはマシです。
そうでない人は、これから技術がものすごい速度で進歩していく時代では、生きていけないでしょう。
(もちろん、あまり深く考えずにフラフラと生きていく人には関係ないでしょうけど)
そのうち「人生が詰んでいる」なんてことになっていないか心配ですね。

AIやロボットに代替される人間でいいのか

論理的思考や批判的思考を身につけて、目の前の課題に取り組んでいくことは、大変重要なことです。
とはいえ、これらの思考法は「一つの答え」に辿り着くというスタンスをとっていますので、自分よりも優秀な人がいれば、より良い答えが導かれてしまいます。
当然にAIやビックデータを駆使したテクノロジー企業にも敵わないでしょう。

そんな世の中をタフに生きていくためには、現時点ではAIには難しいと言われている、人間的な思考や問題発見力を身につけていくことが重要です。
もちろん「アート思考」を学んだからといって、すぐに効果が出てくるわけではありません。
そして、一生安泰というわけにはいかないでしょう。
AIがこの分野に乗り込んでくるということは、容易に想像できますから。

それでも、新しい思考法、子ども向けに言えば「教育法」を取り入れて、自分を常にアップデートしていくことは、非常に大事なことです。

勉強の仕方をご紹介します

子ども向け

習い事がおすすめ

最近のプログラミング学習ブームで、様々な子ども向けのスクールができています。
都市部に限られてしまいますが、そのようなスクールに通ってみるというのもアリなんじゃないかな、と思います。

気になる方は、こちらの記事にまとめましたのでご覧ください。

大人が学んでそれを子供に伝える

子どもの習い事として、スクールなどに丸投げするのはもったいないですので、大人自身が学び、それを子供に伝えるというのもとても有効な方法だと思います。
アウトプットこそが、最良の学習方法と言われていますから。

大人向け

芸術大学に通う

僕は最近、ずっとこの「アート思考」や「STEAM教育」について勉強しています。
そこで意外な発見があったのが「完全通信制の芸術大学」が存在するということ。
「京都芸術大学 芸術学部 通信教育部」という教育コースがあり、スクーリング不要で芸術大学を卒業できるそうです。
しかも、学費は年間17万円程度とかなりの破格でした。
この教育コースでも「アート思考」に着目しているので、僕は個人的に非常に興味があります。
気になれば、検索してみてください。

読書で学ぶ

通信教育の大学があるとはいえ、日々の生活があるとなかなか難しいものです。
やはり、手軽に学べる方法としては、読書が重要です。
読んだだけで満足しては、あまり意味はないですが、読まないよりはマシでしょう。
僕が勉強した本をご紹介しますので、気になったものを手にとってはいかがでしょうか。

みなさんに向けて

そして、一番のおすすめが「現代アートに触れてみよう」ということです。
古い時代の有名な絵画や彫刻などを鑑賞するのもいいですが、僕は現代アートをお勧めします。
音楽についても、わかりやすい定番のクラシック音楽ではなく、現代音楽というものをお勧めします。

過去から現代にかけて、あらゆる技法を用いて表現してきた芸術作品ではなく、ある程度の表現が出尽くしてしまった現代において、アーティストが自らの問いに対する答えとして作り上げたアートに触れてみると、非常に良い刺激になります。

さいごに:知的好奇心を持ち続けよう

以上でアート思考について紹介してきましたが、身につけるためには根気強い勉強や考察が必須です。
もちろん、アート思考に限らず、論理的思考や批判的思考についても、勉強や実戦、考察は必須です。
しかし、すべてに共通して言えることは「知的好奇心」や「知的探究心」を忘れてはいけないということです。

いまのところAIにとっては「学びたい」という欲望は持ち合わせていないようですから、人間である以上は「好奇心」を忘れずに持つ続けたいですね。

子どもの頃の好奇心を取り戻せますように。

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やべっち
平成生まれの二児の父親。 仕事とのバランスを取りながら家族と幸せに生きる父親について研究中。 子育てや20〜30代の働き方について「言葉を綴って」発信してるので、共感してもらえたら嬉しいです。 新卒の就職先で過労と人間関係でダウンして、躁うつ病を発症。2度の転職の末、外資系企業でヘルシーに勤務中。
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