どうも、やべっちです。
先日、日経新聞にこんな記事がありました。
一面に載っていたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
これを読むに、「日本という国の教育への考え方」が垣間見えますね。
もしかしたら、「キャリア観」と言ってもいいかもしれませんが…
日本という国の教育への考え方

どうやら、文科省は20年度予算の概算要求で関連費用を計上するらしいです。
というのも、政府が6月に策定した「AI戦略」で、25年を目標に、1学年あたり約50万人いる全ての大学生、高等専門学校生にAIの初級レベルの能力を身に付けさせ、さらにこのうち25万人は自分の専門分野の課題をAIで解決できる人材にしたいと考えているらしいです。
で、これから策定に取り組むカリキュラムで、これらの人材の育成を想定しているらしい。
ふーん。
教育にお金をかけることは、いいことだと思います。
投資対効果が大きいですからね。
で、「顧客データの分析による売り上げ増、需要の発掘」「気象データを活用した農業の生産性向上」といった課題に対し、AIを使ってどのような解決策を作るかなど、企業などとも連携し、企業によるAIの活用事例もケーススタディーとして学べるようにするらしい。

これって、予算つけてカリキュラム組むとできるようになるの?と思ってしまう。
これって、小学校での英語教育とか、プラグラミング教育とかと一緒だよね。
カリキュラム組んだらできるようになるんだろうか?
(日経新聞に出ているピラミッドグラフの面積比率が明らかにおかしいのが、なんだかな〜とおもってしまう)
”経済産業省はAIなどの先端的なITを担う人材は、30年に55万人不足する恐れがあるとの試算をまとめている。文科省担当者は「各大学が一からカリキュラムをつくるのは簡単ではない。参考にしてもらえる優れたモデルを示していく」としている。 ”
この資産に基づいて、大学での教育に力を入れることは非常にいいことだと思います。
もちろん、うまくいくのであれば、小学校での英語、プラグラミング教育についても、いいことだと思います。
ただ、30年に50万人不足するIT人材って、大卒新卒者で賄う必要があるの??っていう疑問。
これが、日本という国の教育への考え方を象徴しているような気がします。
「学ぶのは学生の仕事」ということ。
でも「仕事をしている人にも学びは必要」だと思うな。
日本での「学び」と「働くこと」の断絶

「学校で学んだことなんて、社会に出たら役に立たないよ」って聞いたことがありませんか?
本当でしょうか?
そういう人は、ただ単に「学校で学んだことを役立てられない職業に甘んじている」んではないでしょうか?
僕は、工学専攻でした。新卒でメーカーに就職しました。
先輩や上司から「学校で何を学んできたんだ?遊んでただけか?」と叱られ、指導をされました。
そういう自分からすると「学校で学んだことは、社会に出ても役に立つ」としか言えない。
そして「今の仕事を続けたいなら勉強しろ」とも言われていました。
ごもっともですね。
反面、「学校で学んだことは社会に出ても役に立たない」という人からすると、そういう発想ってないんでしょうね。
今の会社では、仕事(メーカーのエンジニアをやめて、広告代理店の人事マンに転職しました)についての勉強をしていると「意識高い系」と認識されるという不思議な風土があります。
いや、そういう風土って日本全体にあると思います。
勉強が仕事に直結する仕事なんて、日本には数えるくらいしか無いんでしょう。
で、日本という国は「人材開発(教育)は学生のうちに終えてしまおう」という発想になるんじゃないでしょうか?
学校教育が充実するのは素晴らしいことです。
では、彼ら彼女らが新卒で会社に入社した時に何が起こるか?
彼ら彼女らの学んだこと、能力をうまく使える上司や会社ってどれくらいあるんだろうか?
繰り返します。
きっと「学校で学んだことなんて、社会に出たら役に立たないよ」っていう人いますよね。そういう人は、たしかに「学校で学んだことを役立てられない職業に甘んじている」んですよね。
残念ですよね。
教育の機会は社会人にも必要だと思う

国がどんなに予算(そして教育現場での労力)を割いても、そういう人材が残念な組織に入ってしまったとしたら、どうなるんでしょうか?
「自分よりも優秀な人材を使える人材」を開発することも重要なんでしょうね。
もちろん、そこまで高度な人材開発(教育)の機会がなかったとしても、先に紹介したようなIT人材と同等レベルの知識や能力を身につけた中堅社会人が増えてくると、より日本の労働生産性は高くなるんではないでしょうか?
もちろん「授業料を払って学校に通う」ということは現実的ではないかもしれません。ただ「そういうことが大事なんだ」という発想が起こらない国、組織というのは、ある意味危険なんではないでしょうか?
聞くところによると、カナダではある程度キャリアを積んだら、しばらく実務の場を離れて再教育の機会を持つことが一般的らしいです。
そこまで極端ではなくても「社会人になってからの学びがインセンティブになる社会」になれば、変わってくるかもしれません。
社会の問題なのか、組織の問題なのか…。
本当に大事なことってなんだ?
人事の仕事をしていると、人材開発についていろいろなことを思います。
「教育改革って、成果が出るまで時間がかかるから、企画する人はどうしても当事者意識を持ちにくい」と聞いたことがあります。
会社組織でも「人事改革って、成果が出るまで時間がかかるから、企画する人はどうしても当事者意識を持ちにくい」んだろうな、と思います。
本当に大事なことってなんなんだろう?
少なくとも「教育は学生(就業前)のうちに終えるのが当たり前」ということは、リーズナブルでは無いような気がします。