最近よく「STEAM教育」という言葉を耳にしますね。
でも一体何なんだ?新しい教科が始まるのか?というような、疑問もたくさんあるかもしれません。
この記事を読むと「STEAM教育とは何か」だけでなく「STEAM教育がどれくらい重要なのか」まで理解できると思います。
幼少期から論理的思考力や表現力を高めていく教育です

世界的にも注目されている教育法
いまの世の中、技術がものすごい速度で進化していています。
10年前には珍しかったスマートフォンは当たり前になり、スマートスピーカーやスマートテレビが生活を便利にしてくれています。
AIやロボットの発達により、さらにこの技術の進化のスピードは上がっていきます。
そういった、社会の変化が激しい中でも「変化に流されるのではなく、自らが変化を生み出せる人材」を育てるために取り入れられている教育法なのです。
もともとは、この「自らが変化を生み出せる人材」を育成するための教育法としては、「STEM(ステム)教育」というものがありました。
それぞれ、
- Science(サイエンス):科学
- Technology(テクノロジー):技術
- Engineering(エンジニアリング):工学
- Mathematics(マスマッティクス):数学
- の頭文字をとったもので、まさに「技術に強い人材」を育成するという考え方です。
このSTEM教育にさらに、「Art(アート):芸術・教養」が組み込まれたことで「STEAM(スティーム)教育」となったのです。
AIやロボットの普及で、近い将来、現在ある仕事の多くがこれらで代替されると言われています。
そのような中、社会に求められる感性やスキルは、問題解決力や論理的思考、クリエイティブな発想やスキルとされており、その基礎となる部分を「STEAM教育」で学ぶことができるのです。
文系理系の枠組みを超えた教育
AI技術やIT技術だけでなく、ものを作る際にはもちろん、科学・工学知識や技術が重要です。
ただ、同時にデザイン性が無いとそれをうまく形にすることはできません。
身近な例では、機能だけでなくデザインが優れているアップル製品なんかが該当しますね。
Art(アート)には「リベラルアーツ」つまり「教養」という意味も含まれていて、人間が生きていくうえでの根本的な考え方や知識を指しています。
理数系の科目だけで構成されたSTEM教育が、Art(芸術と教養)を取り入れた事で堅い工学のイメージから、柔らかく自由な表現でのびのびとした豊かなものづくりの印象に変わりました。
アメリカでは国家戦略/日本でも導入か
もともとこの「STEAM教育」は、アメリカが国力アップのために国家戦略として推進していたものでした。
オバマ前大統領も演説で「ゲームを買ったりアプリで遊ぶだけでなく作れるようになりましょう」述べてたそうです。
さらに、Microsoftのビル・ゲイツやFacebookのマーク・ザッカーバーグなど、多くの著名人も、このような教育方法に賛同しています。
世界を牛耳るGAFAも賛同している教育法ですから、日本に住んでいる私たちも、勉強しておくべきですね。
実は日本でも、文部科学省が「STEAM教育」についての動きを見せています。
『新学習指導要領の趣旨の実現とSTEAM教育についてー「総合的な探究の時間」と「理数探究」を中心にー』というテーマで検討を始めていて、近く学校での教育にも取り入れられます。
小学校のプログラミング教育だけじゃ足りません
Art(芸術)という分野が追加されていますよね。
すこしまえに小学校でプログラミング教育が始まったばかりじゃないか、それだけで「論理的な思考力」は身につくんじゃないんか?と思う人も多いでしょう。
実は、それだけでは、この「STEAM教育」が成り立たないのです。
先ほど書いたようにArt(芸術と教養)が追加されています。
つまり、理系と文系の融合になっています。
課題解決方法の選択や進め方によってはArtの範囲である、芸術、文化、経済、法律、生活、政治を含めた、できるだけ広い範囲として捉えて定義することが重要なのです。
この複雑な世界では、目の前の問題について「理屈」だけで捉えることは限界がきているということですね。
そこで役に立つのがArt(芸術と教養)です。
ここにも注目した上で、横断的に包括的に学びを重ねていく必要があるのです。
STEAM教育を受けることで得られる効果とは?

世界で求められる人材になれる
このような「STEAM教育」を受けることで、文理の枠組みにとらわれない横断的な学びを習得することができます。
そして、現実社会のあらゆる問題に対して、想像的に解決していく能力を養うことができるのです。
将来的には、現存する多くの仕事はAIやロボットに代替されてしまいます。
そのような世の中でも、主体的に問題に取り組み「AIやロボットを想像して社会問題を解決する人材」として活躍できるようになるのです。
ビジネスの分野でも「アート思考」が重要視
この記事では「STEAM教育」ということで、子ども向けの教育にフォーカスして書いていますが、実はビジネスの現場でも「Art(芸術・教養)」が注目されています。
書店では、ビジネスパーソン向けの「アート思考」「デザイン思考」に関する数多くの本が並べられていますし、web学習ツールでも同様の内容が全面に押し出されています。
またビジネスパーソンのMBA(経営学修士)取得の流れからMBA(芸術修士)の取得へとトレンドが変わってきています。
物事を直感的に捉え、創造的に解決方法を考え、論理的に説明・実行していくという、文理バランスの取れた人材が今後必要とされていくのです。
まとめ【まず大人が勉強した方がいい】
「STEAM教育」とは社会の変化が激しい中でも「変化に流されるのではなく、自らが変化を生み出せる人材」を育てるために取り入れられている教育法です。
最近では、日本国内でも(都市部に限られますが)STEAM教育を提供しているスクールも増えてきています。
と言いつつも、大人がよくわかっていない教育方法を子どもに押し付けるのは無理があります。
子どもの教育のために利用するのはとてもいいことですが、親である私たち大人自身も「Art(芸術・教養)」について学ぶいいきっかけになりそうですね。
僕が参考にした本を紹介しますね。
もし気になれば、手にとってみてはいかがでしょうか。