「お金を貯める」というお金の使い方

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将来のための貯蓄

書店に行けば、やたらと「マネー本」が並んでいる。毎日コツコツとお金を貯めて、老後資金にしよう…というようなやつです。

女性誌にも「子どもを育てていくためのマネー術」というような特集は必ずと言っても組まれています。

それだけ「お金をどうするか」という問題が難しいのです。そして、身近であるのです。

でも、なぜか「お金の使い方」や「お金そのもの」について教えてくれる大人が周りにいないまま、日本人は大人になってしまうことが多い。

きっと、経済学部を卒業した人なんかは、お金に詳しいんじゃないかと思うけど、実際はそんなこともないらしい。「学問」と「実務」が違うように、「経済学」と「家計のやりくり」も別物です。

「インスタ映えする料理ができる」のと「食品ロスを無くしつつ毎日ご飯を作る」のが別物だということも、一緒ですね。

とにかく、僕らは「お金の使い方」と「お金ってなんだ」ということを知らないまま、大人になり、お金を稼ぐ(ほとんどの人は給与として振り込まれるだけだが)ようになっちゃいます。

言われるがままに、「財形貯蓄」なり「特約付き保険」なり、たくさんの金融商品を紹介され、「とりあえずみんな契約しているから」という安易な気持ちで、自分も契約してしまう。

「いつか役に立つ時があるから…」と。

(確かに、医療保険は役に立った)

(こういったもの(お金や金融商品)について、情報の非対称性が大きすぎるという問題があるだろう)

(お金について体系的に学びたければ、ファイナンシャルプランナー3級あたりを勉強すると、ほんの少しだけど役に立つ)

そして「毎月一定額を貯蓄に回し、残りのお金で生活しましょう」という考え方が、世の中のスタンダードですよね。別に否定はしません。引っ越しや結婚などでまとまったお金が必要な時はあります。結婚しない人でも、車の車検の時にはお金が必要です。

そういう時のために、「お金を貯めておく」ということは大切な行為だと思うのです。とても尊いことです。

けど、あまりにも何も考えていない、というか、おそらく「発想の問題」であるが、勿体無いことも事実です。

預けたお金はどこに行くか

いま、100万円を銀行に預けたとしましょう。

今のご時世、金利なんて高が知れていますので、一年後には100万円+百円くらいでしょうか。

「預金」というが、これは「預けた」のではなく「普通預金」という「金融商品」を購入しているということになります。

つまり「1年後に100万円+百円の現金をもらえるという代物」を100万円で購入しているわけね。ただし、普通預金であれば、1年経たなくとも「現金」として引き出すことができるんだけど。

「預金」というから何だか錯覚するけど、要は「1年後に云々」を100万円で購入しているというわけであり、銀行の立場で言うと「1年後に100万円+百円を預金者にあげる」という代物を100万円で売却した(購入してもらった)ということになるわけどす。

ここまで「お金そのものの売り買い」だから混乱するが…

とにかく、

預金者 :100万円で「普通預金」を購入

金融機関:「100万円+百円」で100万円を仕入れる

ということです。100万円は預金者→金融機関と移動しています。

そして、金融機関は仕入れた100万円をどうするか?

(準備率などの難しい話は置いておいて)

「100万円を誰かに貸してあげよう」と言うことになります。例えば、消費者金融なり、住宅ローンなり、企業融資なり…

この時、100万円は金融機関→借入者へと移動します。

ただし、銀行も商売なので、「『100万円貸す』ということに代金を払え」ということになる。

それが、金利というやつどす。

年利3%であれば、3万円の利息が発生します。このとき、

金融機関:100万円を使って3万円を売上げる

借入者 :100万円を借りるために3万円払う

ということになります。

ちなみに。ここで使っている100万円は僕らが「いざという時のため」と銀行に預けたお金ですよね。

別に銀行は悪いことをしているわけではないけど、僕らは何だか損をしたような気分になりませんか。

とりあえず、お金はこうやって世の中を回っているんです。

(借入者が調達した100万円も誰かの給与になっているかもしれない)

お金を使わないことの損

そんなわけで、お金の流れを見るだけで「何だか損をした」ような気がする。が実際に損をしているのです。きっと。

仮に、毎年100万円ずつ5年間の貯蓄をしていくとしましょう。

当たり前だが、5年後には500万円になっているはずです(利息はほとんどつかない)。

この間、500万円はどんな働きをしたか?

何もしていないですよね。

もちろん、僕たちは「貸金業者」ではないから、「お金を誰かに貸して儲ける」ってことは非常に困難だよね。「アパートを建てて誰かに住んでもらう」ということで、500万円が新たなお金を生むかもしれないけど(が、このブログではそういうことは書かない)。

単純に、500万円あったら何か素敵なことができるんじゃないか!?ということです。

流石に500万円全てを、パーっと使うのに抵抗があったとしても、300万円くらいなら使っても大丈夫なんじゃないかと思う(これには根拠はないけれど)。

「300万円を使って素敵なことをする」を代償に「いざという時の貯蓄をする」ということが起きているんです。

あまり気づかないけど、これは本当にいいことなのか?という見方もできますよね。

もちろん、500万円貯めてマイホームの頭金にする、という素敵な考え方もあるだろうけれど…

でも、これが自分たちにとって、いい選択なのかを考えたほうがいいよね。

「学生の時は時間があってもお金がない」

「社会人になるとお金があっても時間がない」

そんなことを言います。もちろん、言われます。

でも

「若い働き盛りの時にお金を貯めて、楽しみを我慢する」という結果、「リタイア後にお金をたくさん使う」ということができるかと言うと、ちょっと疑問もあったりするよね。

少なくとも、世界一周みたいな素敵なことはできないだろうな、と思うのです。

金融商品のマーケティング

これは、僕の大好きなブロガーさんである「ちきりんさん」も著書の中で言っていたけど…

企業は「お金をどう使ってもらうか(何を買ってもらうか)」を躍起になって考えているけど、実際は、お金をどう使ってもらうかという戦いの以前に、「お金を使うか使わないか」という別次元の戦いがあるんだって。

僕らは、お金を稼ぐ(やっぱり給与という形が多いけど)。

そのお金の一定量は「貯蓄」に回す。

言い方を変えれば「普通預金という商品を買っている」わけです。

残ったお金で、生活をしている。

そう、残ったお金で、旅行なり、車なり、外食なり、云々を楽しむということね。

残ったお金を目当てに、多くの企業がマーケティング戦略を考えているわけです。

完全に、金融商品を売っているプレーヤーのマーケティング戦略の圧勝だよね。

この見方をすると、ちょっと損な生き方をしていないか?と思ってしまうこともあるのです。

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やべっち
平成生まれの二児の父親。 仕事とのバランスを取りながら家族と幸せに生きる父親について研究中。 子育てや20〜30代の働き方について発信してます。
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